本当に、コンピュータの基礎から学びたい、という初心者、この本が対象にしているような人には、自分が薦めるにはちょっと抵抗のある本だと思いました。
結局、74のパッケージもブラックボックスには違いないので、FPGA or CPLDで作ったほうが親切になるのではないでしょうか。書き換え可能デバイスなら、自分でこまごまと書き換えて理解に到る、という道があります。
昔から74で4bitCPUを自作、っていうのには一定の人気がありますが、満足感以上のものが得られれば良いね、と思いますね。本書はその点、最近の萌え本でありがちな、大量の要らん知識を搭載しているので、親切といえば親切です。
つい買ってはみたけど。 (スコア:4, 参考になる)
結局、74のパッケージもブラックボックスには違いないので、FPGA or CPLDで作ったほうが親切になるのではないでしょうか。書き換え可能デバイスなら、自分でこまごまと書き換えて理解に到る、という道があります。
昔から74で4bitCPUを自作、っていうのには一定の人気がありますが、満足感以上のものが得られれば良いね、と思いますね。本書はその点、最近の萌え本でありがちな、大量の要らん知識を搭載しているので、親切といえば親切です。
個人的には、ハード系のPICクイックハック本なんかあってくれると嬉しいのですが。シリアル伝送をもちょっと抵抗無く使ってくれたら、なんて思うことが多いので。CPUの知識より前に、情報の現実空間での取り扱いを意識して欲しいんです。
Re:つい買ってはみたけど。 (スコア:4, すばらしい洞察)
それは机上の空論、あるいはCPUはロジックであるということに毒され過ぎた考えではないでしょうか? この本の趣旨は、むしろそんな人に向けて発せられたメッセージではなかと。
ディスクリート回路で目に見える形でCPUを自分の手で半田付けして作る。ここに「CPUは単なるブラックボックスでない」ということを肌で感じるチャンスがあると。もちろん74xxもブラックボックスには違いないけれど、LSIのブラックボックス度よりははるかに低い。ゲートアレイの「○万ゲート」がどんなものか理解する時に、74xxを手半田した経験があるとないでは随分違います。
# 煽り風味だけどID
Re:つい買ってはみたけど。 (スコア:1)
自分は機械屋上がりなので、制御はリレーから入りました。カムと歯車も使いました。ラダーチャートとシーケンサも。論理演算はリレーで勉強したんです。
日経サイエンスにかつて連載されていたコラム「コンピュータレクリエーション」の4月馬鹿記事に、ロープと滑車で出来たコンピュータの話題がありました。このくらい目に見えるカタチなら文句はありません。自分はこの記事でコンピュータに開眼しました。
最もプリミティブはディジタル半導体デバイスは、最もプリミティブなディジタルデバイスではありません。物理デバイスにこだわると、情報の扱いに妙な先入観を持たれてしまいます。
手半田はxilinxの書き込みツール作る際にまずさせますし、次にはすぐ0.5mmピッチQFPをやらせます。練習すればすぐに綺麗に付けられるようになります。
あと、
>ゲートアレイの「○万ゲート」
って、FPGA/CPLDの場合あの数字を鵜呑みにさせると危ないですし。
Re:つい買ってはみたけど。 (スコア:1)
全く逆だと思います.
機械では現実世界の物理現象を利用するので,現実世界を
抽象化したモデルにもとづいて設計し,モデル化しなかった
(できなかった)??六邵遒婆簑蠅覆ことを確認,?い
修正して行きますよね?
すなわち,realが主でvirtualが従.
しかし,計算機(特に論理機械のレベル)では,論理演算による
モデルがあって,それを現実化する回路・装置を作りますよね?
設計,製造等,全ては,モデルを実現するため.
すなわち,virtualが主でrealが従.
極論すれば,論理演算を理解して,ゲートの組み合わせで全ての
演算が構成されているということを認識(実感)できれば,それで
最もプリミティブな部分は認識できたことになるのではないでしょうか.
7408なんかは,デバイスとしてみればブラックボックスだけど,
論理回路として考えればプリミティブです.
論理演算の学習は鉛筆なめなめで頑張ってもらうとして,
次はvirtualをrealへ持ち込むにはどうするか.その第1歩として
7400とか04とかのゲートを使うというのは妥当かと思います.
話題の本は本屋でぱらぱらめくっただけですけど,
橋渡しとして悪くないかな,と思いました.
#昔,コロナ社から出ていた「ディジタル論理回路入門」(だったっけ)
#という本を,ボロボロになるまで読み込んだのを思い出しました.
#狙っているところがよく似ていると感じました.
#萌え本ではありませんでしたが(笑)
富豪的ハードウェア開発のススメ。 (スコア:1)
でも、まぁ、嫌だけど構いません。コストさえ考えてくれれば。
ハード屋も富豪的なやりかたをもちょっと考えても良いと思うのです。別にゲートを無駄にしても良いと思うのです。セコいことやってゲート余らせるよりか、判りやすくロジックを記述して論理の穴を塞ぐべきです。
……そいえば、PIC16F84 8個とPIC16F873 2個(153のエミュレート用)で、74デバイスのエミュレートをさせてこのCPUを作ったら、陰気な嫌がらせで良いなぁ、などと思ったりも。
決まった特定のアプローチに依存せず、問題解決の為に手段を選ばないで欲しい、そう思うのです。
Re:富豪的ハードウェア開発のススメ。 (スコア:0)
>ト用)で、74デバイスのエミュレートをさせてこのCPUを作ったら、
>陰気な嫌がらせで良いなぁ、などと思ったりも。
本書の著者が今の時代に敢えてディスクリートで組んでるように実際に
製作されては如何ですか? 思ってるだけでは意味なんかないですよ。
Re:富豪的ハードウェア開発のススメ。 (スコア:1)
……つうかそんなモノ作っている暇があったら、つくりかけのUSBブツ作ります。ディスクリートでの動作検証は終了、次はプリント基板起こしなんですが、EAGLE、いまいち使いづらいっス。
PCからめての自作だと、カノープスではありませんが、結局USBですね。ノートだと最近はパラレルどころかシリアルポートすら付いていない事が多いし。
しかし、ま、図面しか引かずに満足ってブツ、自分には多いので、その辺は反省してます。液体ロケットエンジンの図面も、本職にチェックしてもらったのに放置だし。
Re:つい買ってはみたけど。 (スコア:0)
こちらの雑記 [rim.or.jp]
今回、CPLDではなく74シリ
Re:つい買ってはみたけど。 (スコア:2, 興味深い)
そりゃゲートの中身だってブラックボックスですよ。でも,それを言い始めると,ゲートとはトランジスタと……トランジスタとは……半導体とは……電流とは……原子とは……陽子……クォーク……とキリがない。(クォークなんか未解明のブラックボックスw)
Re:つい買ってはみたけど。 (スコア:1)
なぜなら、真空管からゲルマトランジスタ、シリコントランジスタ、IC、LSI、・・・・という電子素子の発展の過程をそのまま実体験してきたから。
素のデバイスの世界からだんだんと集積度が上がってくる過程で色々それぞれ心行くまでいぢれたから。
それに対して、今初めて電子回路に触れる人はその中に一体何が入っていてそいつがどうつながっていてどう動いているかという実感が湧かないんでしょうね。それを実感するためには歴史を紐解いて過去へ遡らなくてはならず。。。。
なぁんて書くと歳がばれるんですけどね。:-)
どの程度までやるかによるかと… (スコア:1)
「FPGAのほうがブラックボックスだ」という意見はごもっともで、
最初の一歩としては、ブラックボックス的要素を最小限度にした74TTLを
ごりごり並べるのはアリだと思います。
しかし、その次の段階で、どうしたら命令を増やせるかとか、
レジスタを増やしたいとか、より突っ込んで、勉強したくなったとき、
74TTLによる製作では、試行錯誤に限界が来てしまいます。
その点、FPGAであれば、何度でもやりなおしができるので、
個人的にはFPGA使ったほうがいいんじゃないかと思います。
(「74を並べる!」というのなら、FPGAを回路図ベースで設計し
74TTLライブラリつかって回路を入力すりゃいいわけだし…^^;)
ちょっとかじって理解したつもりで満足するか、
もう少し突っ込んで、自分なりに改造してみるなどして、
より深く体感/実感/理解したいかで、意見が分かれる部分でしょうね。
アセンブラからCへ (スコア:2, 参考になる)
CPUの本質を学んだり途中経過を手にとるように理解するには、石ならべてゴリゴリ作るのも悪くはありません。ただ、そこから先何か実用的なものを作るのでしたら、FPGA/CPLDの方が良いでしょう。
教育という観点で見るならば、現在のIT系教育において、プログラミング教えるためにアセンブラからという手法はレアケースですよね。FPGAでお手軽CPUクッキング講座を完了してから、より高度で本質でマニア向けな74実習を受けてもらうのが適当かもしれません。
ですが、今回の本はまさにマニア向け。コンテンツもターゲットも適切だと思いますよ(笑
10代の人達に興味を持ってもらう入口としては、FPGAは電子ブロックみたいでおもしろいですよね。その後に半田付け初めても悪くはないでしょう。
オフトピですが、半導体市場の牽引役が、CPUからFPGA/CPLDに移行しつつあるかもしれませんね。リコンフィギュアラブルもはやりですし。大手のXilinxも今日ニュースリリースを出していましたね。Spartanシリーズで100万ゲート規模を12ドルで提供。しかも90nmです。
Re:アセンブラからCへ (スコア:2, 参考になる)
>>Cでロジック組めますし
Cが使えるデザイン環境は非常に高価です。
また、P3-1.4Gでちょっとしたカウンタ回路のシュミレーションを
したところ3時間もかかります。あまり楽しくないかもしれません。
高価なハイエンドUNIXマシン上シュミレータ環境が使えるところなら別ですが。
>>プログラミング教えるためにアセンブラからという手法はレアケース
Cコンパイラがこれだけ高性能化すると、まあ、あまり使わない方も
いらっしゃると思いますが、私はアセンブラ教育は必要と考えます。
ロジック設計での考え方と実際それを使ったプログラミングは違います。
>>実用的なものを作るのでしたら、FPGA/CPLDの方が良いでしょう。
これも疑問
結局、実用的なものを作ろうとするとFPGAに色々外つけICを付けなけれ
ないけないような気がします。
DW10月号の基板一つではできませんよね?
>>半導体市場の牽引役が、CPUからFPGA/CPLD
演算処理や信号処理に特化したシステムや、
通信系などはすでに移行しつつあるのだろうと思いますが
ローエンドの組み込みマイコンなどではまだまだ普及に時間が
かかると思います。というのは組み込み系の多くがまだまだ
5V系が多く、5V系のFPGAが高価だからです。
また、組み込み系マイコンの多くは周辺回路を集積していて
これらを外つけにするとコストメリットが全く無くなる点も
あります。
量産効果が期待できるものなら、ある程度コストをかけ3.3Vや
1.8V系にしてもいいんですけれど、安い、早いを要求される分野
では、マージンが少なくなるような(誤作動しやすい)3.3V/1.8V
系に移行するのはメリットがあまりありません。
5V-3.3V変換ロジックなんか、それ単体で80円くらいするし....
すみません、後半は愚痴です(w
>>Spartanシリーズで100万ゲート規模を12ドルで提供
某代理店経由で情報は着ていましたが、これたぶん何十万個以上
とかいう個数制限ついてると思いますよ。
開発も無料ツールでは不可でしょうし。
デジタルAVのデコーダー/エンコーダーをFPGAで実装すると
あとあと新規格に対応できてええなぁとか思いますが
製品売れなくなるのでやらんでしょうし。
Re:どの程度までやるかによるかと… (スコア:2, 参考になる)
> レジスタを増やしたいとか、より突っ込んで、勉強したくなったとき、
> 74TTLによる製作では、試行錯誤に限界が来てしまいます。
だっからぁ。その不便さを肌で知るのが教育ってもんじゃん。
「××やるにはこの回路を」って時に、単にコードをいじるだけで全自動でやっちゃうのか、泣きながら半田を吸い取りながらやるのか。どうせ実用品を作るんじゃないんだから、そういった苦労も一緒に経験することが大切じゃないですか?
Re:どの程度までやるかによるかと… (スコア:2, 参考になる)
不便さもあるんですけど, デジタル回路も詰まるところアナログ回路なんだってところを身につけるには74程度の方がいいんじゃないですかね. 74程度なら周波数換算で数10Mhz程度の速度ですから, 比較的低価格のオシロで信号の鈍りやゲート延停でできるひげなど, 論理回路だけじゃ分からないいやらしい部分を見ることができるんじゃないかと思います.
Re:どの程度までやるかによるかと… (スコア:0)
FPGAだと特殊なプログラミング言語(?)とも感じられるし、ソフトっぽすぎると思う。
単純に74を使うのが一番手軽だからじゃ (スコア:1)
実際に作ってみよう、というのを前面に出した本ですから
山のようにリレーを繋ぐのもFPGAの開発環境を紹介するよりも
遥かに現実的でしょう。
少なくとも電子工作が中学校以来の自分のような人間にとっては
そうでした。
しかし、本書で対象にしているのが「自作PCの知識が一通りある」
というようなものだったので、これは世間一般から見れば十分
マニアですから、どうせならもうちょっと説明を入れて万人向け
の本にすればよかったのにと私も思いました。
数年前ゲームラボで74シリーズが多用されてた謎が解けたのでID
Re:単純に74を使うのが一番手軽だからじゃ (スコア:1)
Re:つい買ってはみたけど。 (スコア:1, 参考になる)
標準ロジックICにすることで、「回路規模」の実感が沸く、というのがいいと思います。最近の方々は、平然と乗算・除算を記述しようとしてくれます(^^;;。「この機能を実現するにはこのくらいの規模かな?」という感覚のある人が減っているような気がします。
合成くん(論理合成)のレポートをみれば規模はわかることはわかるんですが、FPGAでやるなら初めからある程度大きな規模のデバイスにしてしまうので、実感が沸かないような気がするんです。
#それ以前に、この本、入手したいんだけどなぁ・・・。