詳解LINUXカーネル 9
Linuxカーネルのバイブルになりうるか? 部門より
bravo 曰く," オライリージャパンより、Linuxのカーネル解説書が登場した。洋書はこちら。
本書では、「バージョン2.4への期待」が章毎に記述されているため、取り扱っているバージョンは2.2だろうと予測される。(洋書を手にとって読んだことがないからだが。)
Linuxカーネルについてもっと知りたい人や、デバイスドライバを書いたりしたい人にはうってつけの一冊だろう。
私も買おうかなと思った。ただ、積読にならなければいいのだが..."
ちょうど昨日本書が届いたので(あたりまえだが自腹である)、非常に簡単にではあるがレビューをしてみよう。
まず、本書が題材としているものは、Linuxカーネル2.2である。現在の安定版カーネルの最新である2.4系ではない。しかし、現状まだカーネル2.2が多く使われていることや、カーネル2.4でもおなじ構造の部分は多いため、本書の内容は十二分に役に立つであろう。
もともと本書は、大学の講義で使われていた内容であるということもあり、ボリュームはあるがそれはすべて理解を促すためのスペースとして使われていると考えて差し支えない。カーネルとしての機能解説に徹した本書は、ネットワークドライバなどの説明はない。が、説明のポイントを絞り込んで解説するということを考えると、この判断は間違ってはいないだろう。
監訳者の一人である高橋氏は、現在 Linux Japan にカーネル2.4の解説記事を連載している現役のカーネルハッカーであり、早川氏もJFプロジェクトをはじめとして数々の成果を発表している猛者である。翻訳者も豪華揃い踏みという感じがする。内容の記述には可能な限り平易な表現を多用してあり、専門家の立場からだけでなく、読む人のことを考えた日本語の解説書として完成度の高いものに仕上がっている。
これらのことを考えると、価格の5800円(+税)は安い。それでいて内容も充実している。が、1つだけ不満がある。それは重いことだ。手持ちの体重計で測ったら、1.4kgと出た。ノートパソコンといっしょに持ち歩くと、他のこまごましたものも含めて荷物は優に3kgを超えるだろう。暑いのにこれだけもって歩くのはちときつい。それ以前にカバンは耐えてくれるだろうか。今年の夏は本書かPCか究極の選択を強いられることになりそうだ。
Re:オライリーの本は (スコア:5, すばらしい洞察)
OracleとかMQのマニュアルって最悪.読んでも意味が良く分からない. 日本支社の社員には,解説本せっせと書いて小遣い稼ぐ前にまともな日本語マニュアルを作って欲しい.
オライリーの本は (スコア:3, 参考になる)
定評があるのは周知の事実。
今日にでも書店で探してみよう。
閑話休題
この業界の翻訳物の書籍って、得てして
・日本語を知らない人間が翻訳したもの
・翻訳ソフトの出力結果無修正(監修者意味なし)、
・技術を理解していない人間による翻訳
といった「悪貨」が幅をきかせている気がしてならないのはオレだけ?
(実際、原書やソースをみたほうが理解できたりする)
商品寿命や購買層といった部分を勘案すれば
出版社のこのような粗製濫造スタイルも理解できなくはないけど、
日本のソフトウェア業界の成長を阻害している一因に、
技術者/翻訳者の日本語表現能力欠如があると思う。
(自分自身の能力に関しては棚上げ)
Cube
それは言えてます。 (スコア:1)
Cube
Don't walk on the resource map. (スコア:1, おもしろおかしい)
Don't walk on the mapに引っ掛けた文章なのにね。
翻訳は思った以上に大変です (スコア:1)
技術文書の日本語訳版には許せないほどできの悪いものがあるという点では同感です。そこで本書は気合いを入れて翻訳してみたのですが、翻訳関係者の大変さも実感しました。
翻訳を仕事として成り立たせようと思うと(私は趣味みたいなもんですが)、翻訳速度が異常に速くなければ、殆ど不可能です。日本語圏の技術文書の市場は小さいため、翻訳作業に大きなコスト(時間)をかけることが許されず、結果として質の低い訳の書籍が氾濫する一因となっていると思います。
こういう状況の中で、それなりの専門知識を持った翻訳者を確保することは非常に大変そうです。企業の中には確かに技術力を持たれている方は多数おられますが、そういう方が翻訳作業の時間を確保することは非常に困難です。スラッシュの中に「糞本なんか読んでられん!我こそは!」と思う方がいれば、翻訳に挑戦してみませんか?まずはJFで小手試しでしょうか。
Re:翻訳は思った以上に大変です (スコア:1)
早川です。
そうですね。私自身も150ページほど翻訳も行いましたが、非常に大変でした。
高橋さんも書かれてますが「ちゃんとした日本語になっていない」書籍もこの世にあふれていますので、技術的な方面は高橋さんにまかせ、私はその轍を踏まないように「日本語」であることを重視しました。
ちなみに公式には JF はドキュメンテーションプロジェクトであり、翻訳プロジェクトではありません。実態はと もかく(^^;
興味のある方は JF Workshop Guidance を参考にして、参加してみませんか?
Re:翻訳は思った以上に大変です (スコア:1)
Re:翻訳は思った以上に大変です (スコア:1)
Re:Don't walk on the resource map. (スコア:0)