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9397 story

同人誌バカ一代~イワえもんが残したもの~ 90

ストーリー by koyhoge
趣味を極めることの難しさとすごさ 部門より

Anonymous Coward曰く、"このファンシーなタイトルの本は、稀代の同人誌バカでありつづけた岩田次夫氏の遺稿集とでもいうべきものである。「同人誌が大好きな岩田次夫という男が確かにいた」証がそこにある。

出自はほとんどが著者本人による同人誌・商業誌への寄稿内容および、Nifty-Serveのパティオで語られた内容で占められている。もともと一冊にまとめられることを意図したものでないことは一目瞭然だが、編集に携わった三崎尚人氏が著者の考え方を良く知る一人だったこともあり、内容の流れとそこから読み取れる意図によどみがない。"

以下タレコミ続き。

"さて、肝心の中身だが、いくつかの著者の顔がそこには見えてくる。たとえば、以下のような感じのものが見えてくる。

  • スタッフとしてコミケットの運営システム構築に携わった立場
  • 同人誌の読み手としての立場
  • 表現を行う者(書き手)としての立場
そして斜め読みをしていくと、上記も含め、いろんな立場から、これまで同人誌およびそれをとりまく状況が「どうなってきたか」を見据えている。読み手、書き手、そしてスタッフという全ての役割につき、全ての役割を充分以上にはたしてこそ見えてくる部分が、これでもかという具合に読み手に流れ込んでくる、そんな感じを受けた。

ひっかかったところ、気になるところを読んでみてよーく考えると、実はこの本「あたりまえ」の集合体であることに気付く。しかし、その「あたりまえ」に気が付かない人は意外に多い。それが1つの主体に対して複数の「あたりまえ」があったりしたらなおさらである。

いわばこの本、同人誌に関するas-isの集合体である。決してto-beを集めているわけではない。しかし、as-isを知らないとto-beも語れない。そういう意味では非常に貴重な知見がそこにある。その他、内容そのものもさることながら、スタンスの取り方という点では同人誌に関連したところにいなかったとしても参考になるだろう。

いろいろと書いたが、「表現」なり「同人誌」というところに興味を引かれる人には是非読んでもらいたいところではある。「オープンソース」という話も、どこかこういうところに通じるのではないかと思うが、そういう向きの人にも読んでもらいたい内容である。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Tsukitomo (22680) on 2004年12月26日 3時58分 (#670660) 日記
    「アレゲと同人オタは違う」というようなコメントもありますが、
    タレコミの核となる主張は「もっと読む」の部分の、

    > 「オープンソース」という話も、どこかこういうところに通じる
    > のではないかと思う

    というところにあると思います。「同人誌」をオープンソース
    (あるいはフリー)ソフトウェア、「コミケットスタッフ」を
    開発者やコアメンバー、「読み手」をユーザ、「書き手」を
    ユーザの中から開発に協力してくれるようになった人、という
    ふうに当てはめれば、同人誌という「1つの主体」に対してそれ
    ぞれの立場の人達がどうした、思ったからどうなった(as-is)
    という経験の蓄積は、(ハイテクオタクとしての)アレゲ人にも
    充分参考になる本ではないでしょうか。

    そしてそれらのas-isを踏まえてこそ、ここでもたびたび議論
    される(?)ような「オープンソースの未来」が、明るいものに
    なるのではないでしょうか。

    個人的には、タレコミの「それが1つの主体に対して複数の
    『あたりまえ』があったりしたらなおさらである。」という部分
    に、「だから『ガラパゴス』とか言う中の人がいたり、自分の
    操作ミスなのに、二言目には『バグですか?』というユーザが
    いたり、それらに愛想を尽かすorキレる開発者がいるんだろなぁ」
    と思いをめぐらせました。

    # なんか入試の読解問題の答えみたいだけどID。
    # たぶんタレコミした方は熱い思いを抱きすぎてよく
    # まとまらなかったんでしょうね。
    --
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    Tsukitomo(月友)
    • > 「アレゲと同人オタは違う」というようなコメントもありますが、
      > タレコミの核となる主張は「もっと読む」の部分の、

      この後かなりアクロバティックな論理展開を見せますが、
      これがアリならばサラリーマンの愚痴でもタレコミとして成り立ってしまいます。

      なんか F1 の時以来ですね。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2004年12月26日 7時08分 (#670695)
        まあ、あの、僕は岩田氏の事全く知らなかったんでなんとも言いづらいんですが、
        タレコミのリンク先にあった
        http://www.st.rim.or.jp/~nmisaki/topics/iwatadoc1.html
        を読んだら同人誌とオープンソースを結びつけているタレコミ人の考えが分かりましたです。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2004年12月26日 8時00分 (#670704)
          うわ。

          人は大切にされ、敬意を払われれば、モラルは上がるし、信頼感も向上する。ところが現在の同人誌即売会のように、大切にされないと言うことが、感覚でも実態でも明白になっていると、モラルは低下し、互いに不信の投げ合いとなるのだ。

           主催者は、消費者は頭数としてカタログを買うことしか期待しないし、消費者は、ただ本を買える場所を作ってくれれば良いというだけのスタンスになる。そこにどんなモラルや共同幻想が作れると言うのであろうか。

          日本のOSS界はガラパゴス諸島 [srad.jp]って言った人に見せてあげたいな。
          親コメント
  • by hir_000 (2322) on 2004年12月26日 4時55分 (#670670) 日記
    のにコメントする非礼をあらかじめわびつつ

    氏のniftyとか掲示板とかオンラインでのカジュアルな書き込みを読んでいると、
    (笑)や(爆笑)が多すぎて鼻につくこと甚だし、であった。

    フォーマルな文章は普通なのにねえ……

    ポケモン同人誌事件付近のネタに言及はありますかね。
    ああいう官憲の絡む話題には関心のある向きも多いんでは。
  • 僕はホームページから除外するストーリーのトピックに「アニメ・マンガ」を指定しているのですが、この記事がホームページに表示されてしまいます。どうすれば、「アニメ・マンガ」の記事を除外することができるのでしょうか?
    --
    屍体メモ [windy.cx]
  • と思ってしまったのは、私だけだろうか。

    面白い見識が期待できると思うのだが。
  • by udo (23431) on 2004年12月26日 7時57分 (#670703) 日記
    古い知り合いにアニメ「赤毛のアン」でその筋に目覚めてしまい、
    小学校高学年の頃からアニメ関係の同人世界に身を投じたという猛者がいてな、
    そのくせ生計はドカチンのバイトで稼いでるという関係上
    体はムッキムキ。ノリは常に体育会。そんな彼がコミケットで撮ってきたコスプレ女の写真を
    嬉しそうに見せびらかしながら太い声で解説する光景っちゅうのは
    1、2の三四郎の寅吉もかくや、と思わせるものがあったのだよ。

    オレなどは「表現は人間味を打ち出して行くもの」という古い考えの人間だから
    そいつには、おまえのようなおもしろい奴は同人誌なんてやってちゃいけない、もっと別なことやれと
    ずいぶん言ったのだけど、聞かなかったのだな。

    私見だが、今の世で言う「同人誌」てのは、「個」をひとまず、とことんまで捨て去るところから始まってるような印象があるのね。
    ある共通の世界への愛情が第一、その世界に関連する話題ならどんな人間でも受け入れる代わりに
    その人の人となり、生きてきた汚れのようなものを表現に持ち込めない。もしくは
    かなりねじくれたかたちでそれが表現される。みたいな。

    その彼に「同人誌はもったいない」と言ったのは結局そこで、
    そいつ自身の人となり自体がおもしろいのに、そんな世界じゃ活きないだろうと。
    そのまんまがおもしろいのに、捨てちゃもったいないだろうと。

    「同人誌に生き」なんて人の遺稿集が出版されるというのは、オレのその見方が間違ってたということなのか
    人間味、のようなものはやはり同人の世界でも大事なもので、だからこそこうも偲ばれるということなのか。
    それともオレの見方は間違っておらず、誰が言っても同じに聞こえるような理屈で埋め尽くされているのか。

    もう何年も会ってないそいつのことなんか考えながら、ちょっくら読んでみようかな、と思っている。

    #徹夜明けで日本語ヘン、、、。
    •  「同人誌」といってもピンキリですからねぇ。同人誌は思いっきり「個」を表現できる媒体でもあると思います。
       
       漫画やアニメのパロディがかなりの部分を占め、さらにエロパロがそのさらに2割以上は占めているのは確かですが、オリジナルの漫画も多数あり、鉄道やらミリタリーやら各種評論やらも数は少ないですが根強く残ってます。
       実際にコミックマーケット等に足を運ぶのはきついにしても、コミックマーケットのカタログを買って(2千円しますが…)目を通してみれば、その実態のかけらぐらいはわかると思います。(エロパロの数の多さにあきれるかもしれませんけど。)

       今ならWebで発表すればいいじゃん、という意見もあるかもしれませんけど、漫画を発表するには今の表示装置は貧弱でコピーして製本した紙の本の方がずっと読みやすいですし、その他のジャンルでも紙の本にはWebページにはない魅力があります。
       あと、なんといっても違うのは、買った人の顔が見えてその場で話したりすることができることです。わたしゃはちっぽけなWebページを開いてますけど、掲示板には知り合い以外の書き込みは数えるほどしかないです。(アクセスログを見ると、それなりにアクセスはあるのですが…。) 半ばネタで1年前からコミックマーケットにサークル参加してみたところ、いろんな人と話ができてとても楽しかったです。受け狙いで作った冗談ハード「国民機起動音発生装置 PiPo」は狙い通りわかる人には非常に受けました。
      (会話が多いのは同人ハードウェアという特殊ジャンルゆえかもしれません。手伝ってくれた友人はそれ以前に寄稿したCG集のサークルの手伝いをやったことがあるんですけど、「こっちの方が(会話があって)すげーおもしれー」と言ってました。)

       ただし、ただの買い手・読み手と作り手との間には大きな差があると思います。

      #こんなこと書いているくせに、同人誌の蔵書の半分ぐらいはエロパロだったりしますけど。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2004年12月26日 9時45分 (#670736)
    氏のスタッフとしての最大の功績は
    「コミケ事務処理へのPC導入、事務処理の電子化
     (により破綻しかかっていた事務処理を救った)」だそうだし
    • by NightWalker (21969) on 2004年12月27日 7時54分 (#671058) ホームページ 日記
      俺は垣間見ただけですけど、事務処理は地獄でした。
      カタログは手作業で貼り付けられ、郵便局の私書箱は応募の封筒であふれかえり(郵便局から苦情殺到)、
      定額小為替を黙々と処理し続けるスタッフに怪しいオーラが漂い、
      コネで入れろと言いに来るスタッフを引きずり込むブラックホールと化してました

      地獄なのは事務だけじゃありません。
      早朝にパイプ椅子と机が搬入され、何も知らない都営バスはジャックされ、近くの酒屋(?)は宅配便の処理でパニックに陥り、
      売店の食料・自動販売機の飲み物は飲みつくされ、大量のごみを残してその日のうちに撤収していく。
      1日あたりの動員数はモーターショーとほとんど同じと言う嵐のような、いや『荒らし』が毎年3回吹き荒れていました。
      晴海に進出してきた当時の話です。
      米澤総帥はお元気のようですが、岩田氏はお亡くなりになられましたか。
      すっかり同人活動から離れていましたので知りませんでした。ご冥福をお祈りいたします。
      親コメント
    • その構成は、SONY NEWS W/Sと……ああ、思い出せない、なんか市販のデータベースソフトだったそうですね。

      1990年代前半には既に陳腐化していたそうですが。
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2004年12月26日 3時06分 (#670646)
    意味がよくわかりません。この言葉が使われているあたりは
    つまりどういうことを言いたいのか、どなかた説明してください。
    • by Anonymous Coward
      as is = 現状
      to be = あるべき姿
      と理解し、「(この本は同人誌の)あるべき姿を語っているというより、
      現状の収集によりページ数が割かれている。」
      ぐらいの意味かと受け取ったけど、たれこみ氏の文章が
      全体的にわかりづらいのは同意。
      Amazonのブックレビューも
      • by Anonymous Coward
        #670646じゃないが、「現状」ではなく「(これまでの)あるがままの姿」を記したのだろうと考えると微妙に的はずれな気もする。
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目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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